代表戦マッチレポート

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( 代表戦マッチレポートについて)

岡田監督
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2010-06-21

イビチャ・オシム氏がオランダ戦を回顧

■日本に欠けていたのは殺し屋の本能

 守備は規律を守ってよくやった。だが、もっといいプレーができたはずだ。

攻撃ではボールをもっと速く動かすことができれば、

もっと速いパスで相手をもっと余計に走らせることができたと思う。

そして最後の部分で、フィニッシュの精度が問題なのだが、

もっとコレクティブな攻撃ができなかったのかと思う。

もっと勇敢にアタックするべきだった。

サッカーは得点を競うスポーツだから、物足りない。

日本代表の選手たちはオランダを怖がっていた印象がある。

オランダが怖がるような攻撃ができていなかった。

日本に欠けていたのは殺し屋の本能、

チャンスがあったら絶対にそれをものにするという気迫。

それがないから勝てなかった。

――今大会の中で戦い方を変えていくことで世界と互角に戦えるようになるか?

 学校でいえば、昨年のオランダ戦では単位は取ったが、

次の学年では学んだことを忘れてしまった。

復習して身につけることを忘れてしまった。

それよりもワールドカップ(W杯)の初戦で学ぶことが、

2戦目や3戦目で学ぶことよりも多い。

わたしが残念だというよりも、選手たちが一番残念だと思う。

もう少しのところで、(勝利を)手の先から逃してしまった。

途中までは規律を守って集中力を保ってプレーしていたのに、

それが一瞬だけ切れてしまい、試合を台無しにしてしまった。

こういう試合をものにできないということが残念だ。

 集中は続いていたけれども、一瞬だけ切れたという試合を続けていてはいけない。

チームとともに個人の力量、集中力を考え直せば、もっと良いチームになると思う。

日本代表は日本のベストプレーヤーの集合ではなく、

組み合わせて作っているものだということだ。

ここからさらに上に上がっていけるという希望を忘れないようにしましょう。

 良かったのは、若い選手たちが経験を積んだことだ。

今後の日本サッカー界の未来にとって、

本田圭佑や長友佑都、川島永嗣らが経験を積んだことが良かった。

公式の国際マッチの経験を次に生かせるかどうかが大事になる。

最後のフィニッシュの部分でコレクティビティー、

集団でのプレーという意識のところで年齢が上の選手と若い選手の差が出たのかもしれない。

だが、年寄りばかりを集めても良いプレーはできない。

そのことを選手たちが気がつけば、次の試合で進歩できるだろう。

つまり、シンプルにプレーすることが最も難しいということだ。


■本田のクオリティーは別の分野にある


――本田はボールを持ち過ぎていて接触が多かった印象だが、

  途中出場の選手たちがボールをキープするタイプの選手だったことをどのように考えているか?

 中村俊輔や玉田圭司に聞いてみてください。

本田について言えば、カメルーン戦は非常に良かった。

規律を守り、専門外のFWとして良いプレーをしたので、

ご褒美としてゴールを挙げることができた。

カメルーン戦では、非常にクレバーなプレーをしていた。

 しかし、その良い印象というのは今日の試合で少し変わった。

つまり、本田は専門のポジションではないのだから、

FWのイミテーション(まね)をするべきではなかった。

本田は自分1人で2人のDFをねじ伏せることができると思ったのかもしれないが、

そこで(チーム全体の)プレースピードが落ちた。

 本来ならば、本田がポストプレーヤーとしてするべきことは、

自分がつぶれてほかの選手を生かすことだ。

しかし、本田がキープする時間が長い程、全体のプレースピードが落ちてしまった。

ボールキープできればまだ良かったが、下がって取られた。

本来ならタッチ数を少なくしてさばくべきだった。

低い位置でボールを取られたために、

オランダが自動的にショートカウンターを仕掛ける場面が増えた。

そういうプレーが何回か繰り返された。

皆さんも今日のオランダ戦の録画を何回も見直してください。
 
ただ、それは深刻なミスでありません。簡単に修正できる。

それを修正できれば、日本はもっと良いプレーができる。

本田は素晴らしい選手で複数のポジションでプレーできるポリバレント性を持ち、

勇気があり、集中力もある。

本田がFKを外したことだけを批判しないでほしい。

本田は自分がビッグプレーヤーであると示したかったのかもしれない。

しかし、本田のクオリティーは別の分野にある。

 俊輔について話しましょう。彼は非常に良いプレーヤーだ。

彼が先発でなかったことを、彼自身がもっと考えるべきだ。

俊輔は日本では非常にユニークな選手。

しかし、サッカーについての考え方を彼自身が考え直すべきかもしれない。

効果的なプレーは何かということ。

それは遠藤保仁も同じだ。

2人がモダンでスピーディーなプレーができれば、

日本代表だけではなく、日本のサッカー界全体にとって大きな収穫になるはず。

 もし、彼らがそれを身につけていないのであれば、

わたしもその責任を感じなければいけない。

しかし、それはすぐに修正できると思う。

できなければ非常に残念なことだ。

彼ら2人はもっといいプレーをしてほしいと思う。

まだまだゲーム中にピッチの上にソファーを持ち出し座り込んで、

葉巻をくゆらせるような選手になってほしくない。

危険な場面にどんどん飛び出し続けるような選手であってほしいと思う。


■日本の選手たちはコンプレックスを持ち過ぎている


――デンマークの戦力をどのように分析しているか? 

  また、オランダ戦で次につながるようなプレーがあったと思うか?

 今大会を見ている限り、本来のデンマークではないという印象だ。

ニクラス・ベントナーやイェスパー・グロンケアのような有名な選手がいるが、

彼らが本来のプレーをすれば日本は頭痛を抱えてしまうだろう。

しかし、そうではない。今日のオランダもそうだった

。弱点があるとすれば、デンマークは大きいけれど、機敏ではないということ。

彼らの背の高さを長所ではなく弱点にしてしまう。

日本の機動力を使い、1人がボールキープする時間を短くして、

パススピードを上げてボールを動かすことで、

大きな選手は反応することができなくなる。

大きな選手は素早い小さな選手を相手にするのが苦手なものだ。

背が低いだけではダメで、スピードがあって勇気が必要だ。

 例えば中澤佑二や田中マルクス闘莉王にどのような選手が嫌か聞いてみてほしい。

巻誠一郎(千葉)と戦うのが好きか、工藤浩平(千葉)と戦うのが好きか。

どちらが戦いやすいか聞いてみてほしい。

自分たちも解決策への回答を持っている。

そして、集中力を維持しながら相手の弱点をしつこく突いていくわけだ。

今日の試合で得たものは、負けたけれど、自信がついたことだ。

今日のオランダに対してこのような試合ができたことは、

スペインに対しても、ブラジルに対しても、どんな強豪がきても互角に戦うことができる。

遠藤や俊輔が、わたしが考えるような戦い方をすれば主導権を握ることもできる。

進歩するということだ。

 直す必要があるのは選手のコンプレックス。

日本代表の選手たちはコンプレックスを持ち過ぎている。

心配なのは、それが決定的な場面で出てきてしまうことだ。

特にDFだ。

今日もイブラヒム・アフェライが途中出場した後の時間帯に、

GKと1対1になった場面が2回あった。

同じようなことを繰り返してはいけないということだ。

川島が素晴らしいセーブで2点を阻止した。

もし失点していたら、ただ単に負けること以上の計り知れないダメージを負ってしまうことになっていた。

 川島はこの試合で自信を失う必要はまったくない。

彼は今夜寝られないかもしれないが、

ウェスレイ・スナイデルにあのようなゴールを決められたのは川島が初めてではないし、

最後にもならないだろう。

あの失点のことは気にせずに、防いだ2点を振り返るべきだ。

――グループリーグ第3戦に決勝トーナメント進出が懸かっている。

  過去の経験の中で、このような状況でどんな言葉が一番うれしかったか?

 W杯の経験で言えば皆さんと同じだ。

試合が終わってからああすればいい、こうすれば良かったと考えるわけだ。

勝てなかったことはある。

その場合、一番心配なのは選手が自信を失うことだ。

特にショックだったのは、

(90年のW杯でユーゴスラビア代表を率いて)ベスト8までいって、

アルゼンチンにPK負けした時。

試合が終わった後になって、どんな差で負けたのかを考えるわけだ。

日本代表もそのような状況にならなければいいと思う。

 日本代表が下手なプレーをすると、わたしが悪かったのかと責任を感じてしまう。

良いプレーをすればいいが、

悪いときはわたしが日本でやったことは無駄だったのかという気持ちになってしまう。

あるいは、わたしの言ったことが日本人には聞こえていなかったのかと。

わたしは日本人ではありませんが。

 実はドクターから、テレビでもサッカーの試合を見ないように言われている。

わたしはこの瞬間もリスクを冒しているわけだ。

まあ、リスクを冒さないと収穫はないということを繰り返し言っているが(笑)。

プロとしていったん引き受けた仕事では、選手たちがわたしの命の一部になっている。

日本代表は自分の一部だ。日本の前にまだチャンスがぶら下がっている。

それを生かさなければ残念な結果に終わってしまう。

リスクを冒すのもほどほどにしろという場面があることも付け加えておきたいと思う。

わたしはすでにリスクに関する人間に3人出会った。

1人は阿部、2人目は闘莉王、言い忘れたが最初にリスクを冒したのは家内だ(笑)。


ヤフースポーツより。


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